決算の見通しが立ち、「当初の計画より利益が見込めそうなので、将来につながる設備投資を検討したい」という企業もあるのではないでしょうか。
設備投資の候補には、生産設備や社用車、空調設備、建物の改修などさまざまなものがあります。その中で、長期的な電気料金対策や脱炭素、災害対策まで含めて検討できるのが、太陽光発電・蓄電池・V2Hなどのエネルギー設備です。
事務所や工場の屋根だけでなく、駐車場を活用したソーラーカーポートという選択肢もあります。
ただし、年度末だからといって「余った利益を設備投資に回せばよい」という考え方だけで導入を決めるのはおすすめできません。
大切なのは、今後の電力使用量や事業継続、脱炭素への対応まで見据え、会社にとって長期的な価値を生み出す設備なのかを検討することです。
今回は、法人が年度末に向けて省エネ・再エネ設備への投資を考える際のポイントをご紹介します。
目次
年度末の設備投資は「節税」だけで考えないことが大切
決算が近づき利益の見通しが立ってくると、設備投資を検討する企業も増えてきます。
しかし、太陽光発電などの設備を導入したからといって、支払った金額がそのまま当期の経費になるとは限りません。
法人が取得した太陽光発電設備などは、一般的には減価償却資産として扱われ、設備の種類や耐用年数などに応じて、複数年にわたって減価償却していくことになります。
また、減価償却を考えるうえでは、設備を購入した日だけでなく、「事業の用に供した日」、つまり設備を本来の目的で使用できる状態にして事業で使い始めた時期が重要になります。
そのため、「今期は利益が出そうだから太陽光発電を設置しよう」という考え方だけではなく、「今後の経営に必要な設備を、この機会に計画的に導入しよう」という視点で検討することが大切です。
なお、税務上の取り扱いは、企業の状況や設備の内容、利用する税制などによって異なる場合があります。具体的な会計・税務処理については、税理士などの専門家への確認が必要になります。
太陽光発電は「電気を売る設備」から「自社で使う設備」へ
法人の太陽光発電を検討する際、まず考えたいのが自家消費です。
自家消費とは、事務所や工場などで太陽光発電によってつくった電気を、その施設内で使用することです。
例えば、日中に工場の生産設備や事務所の空調・照明などで多くの電気を使っている企業であれば、発電した電気を自社で利用することで、電力会社から購入する電力量を抑えることができます。特に、
・日中の電力使用量が多い
・工場や倉庫など大きな屋根がある
・今後も同じ拠点を長期間利用する予定がある
といった企業では、自家消費型太陽光発電を検討しやすいでしょう。
導入を検討するときは、単純に「屋根に何枚設置できるか」を考えるのではなく、会社がいつ、どれだけ電気を使用しているかを確認し、発電量とのバランスを考えることが重要です。事務所や工場の屋根には設備を載せにくい、またはさらなる発電量を確保したい場合は、ソーラーカーポートも選択肢として検討できます。
蓄電池を組み合わせると「つくった電気」の活用方法が広がる
太陽光発電は、太陽が出ている時間帯に発電します。一方、企業の電力使用量は必ずしも発電量と同じように変化するわけではありません。そこで検討したい設備が蓄電池です。太陽光発電でつくった電気のうち、その時間に使い切れなかった電気を蓄えておけば、発電量が少ない時間帯などに利用できます。
さらに、停電時に使用できるシステムを構築しておけば、災害時の電源確保にも役立ちます。
2026年9月時点では、環境省が民間企業などを対象に、自家消費型太陽光発電と蓄電池の同時導入を支援する「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」の二次公募を実施しています。公募期間は2026年8月27日から10月2日正午までとされています。
補助制度は年度ごとに内容や公募期間、要件が変わるため、導入を検討する際には最新情報を確認することが大切です。
EVを保有する企業ならV2Hも検討できる
社用車としてEV(電気自動車)の導入を進めている企業では、V2Hも選択肢になります。
条件が合えば事業所での電力活用にも応用できます。例えば、太陽光発電→EVへ充電→必要に応じてEVの電気を事業所で利用というエネルギー活用が考えられます。ただし、すべてのEVや設備がV2Hに対応しているわけではありません。
また、非常時にどの設備まで動かせるかについても、V2HやEVの出力、建物側の電気設備などによって異なります。「EVがあるから建物全体を停電時にも動かせる」と考えるのではなく、非常時に何を動かしたいのかを決めて設備設計することが重要です。
太陽光発電への投資は「電気代削減」だけではない
企業が再生可能エネルギー設備を導入するメリットというと、電気料金削減が最初に思い浮かぶかもしれません。もちろん経済性は重要ですが、それだけで設備投資の価値を判断する必要はありません。太陽光発電や蓄電池への投資は、大きく分けると次のような経営課題につながります。
① エネルギーコストへの対応
自社で使用する電気の一部を自社で発電することで、購入電力量を抑えることができます。
② BCP(事業継続計画)の強化
蓄電池などを適切に組み合わせることで、停電時にも一定の電源を確保できる可能性があります。
③ 脱炭素への対応
自家消費型太陽光発電によって、自社が購入する電力に伴うCO2排出量の削減につなげることができます。
④ 取引先・消費者への対応
近年は、取引先だけでなく一般消費者の間でも、企業の環境への取り組みに関心が高まっています。省エネや脱炭素への取り組みは、光熱費の削減だけでなく、環境に配慮する企業としてのイメージ向上にもつながります。設備投資を、今後も選ばれる企業になるための経営投資として考えることも大切です。
災害時には「地域に電気を提供できる企業」という考え方も
太陽光発電や蓄電池の価値は、自社だけにとどまりません。災害などによって長時間の停電が発生した際、設備の設計や運用体制によっては、蓄えた電力を地域のために活用することも考えられます。例えば、
・スマートフォンなどの充電場所を提供する
・地域住民の一時的な電源として活用する
・避難場所として事業所を活用する
・自治体などと災害時の協力体制を構築する
といった取り組みです。実際に資源エネルギー庁が紹介している兵庫県豊岡市の地域マイクログリッド事例では、工業団地内の太陽光発電と蓄電池を活用し、災害などによる停電時には市指定の緊急避難場所などへ電力を供給する仕組みが構築されています。
すべての企業が同じ規模の設備を導入する必要はありません。大切なのは、「停電したとき、この設備を自社や地域のためにどう使えるか」まで考えておくことです。こうした取り組みはBCPの強化だけでなく、地域社会との関係づくりにもつながります。
脱炭素への取り組みは企業価値にもつながる
企業の脱炭素への取り組みは、以前のように「環境に配慮していることをPRするため」だけのものではなくなっています。
脱炭素化による効果として、光熱費・燃料費などの削減に加えて、従業員の意識向上や企業イメージの向上などが挙げられています。また、脱炭素を新規受注や既存取引の拡大、資金調達の円滑化につなげる視点も重要とされています。
つまり太陽光発電への投資は、「毎月の電気代をいくら削減できるか」だけではなく、
「取引先からどのように評価されるか」
「地域からどのように見られる企業になるか」
「従業員にどのような会社だと感じてもらえるか」
まで含めて考えることができます。
年度末の省エネ投資で確認しておきたい7つのポイント
設備投資を具体的に検討する際は、少なくとも次の項目を確認しておくとよいでしょう。
- 年間・月間・時間帯別の電力使用量
- 屋根の面積・形状・築年数・強度
- 駐車場をソーラーカーポートに活用できるか
- 蓄電池を導入する目的と必要容量
- EV・V2Hを現在または将来活用する予定があるか
- 停電時に必ず動かしたい設備は何か
- 利用できる補助制度と工事スケジュール
特に年度末の投資では、見積もりを取った時点で導入できると考えてしまいがちです。
太陽光発電の場合は、現地調査や設備設計、屋根の確認、電力会社との手続き、機器の納期、工事などが必要になるため、決算直前ではなく早めに計画を始めることが重要です。
「会社の未来に残る投資」を
決算の見通しが立ち、設備投資を検討できる余裕があるときは、太陽光発電・蓄電池・V2H・ソーラーカーポートなどの省エネ・再エネ設備について、一度検討してみる価値があります。ただし、大切なのは「利益が出たから設備を買う」ということではありません。
電気料金対策、BCP、脱炭素、取引先への対応、地域貢献。
これらを総合的に考えながら、自社にとって本当に必要な設備を選ぶことが重要です。
サンヨウでは、事務所や工場の屋根を利用した太陽光発電だけでなく、蓄電池、V2H、ソーラーカーポートなども含め、建物の状況や電力の使用状況に合わせた設備計画を検討できます。年度末に向けた設備投資をお考えの際は、「何を設置するか」から考えるのではなく、現在どのように電気を使っていて、将来どのような会社にしていきたいかというところから検討してみてはいかがでしょうか。
サンヨウは太陽光発電のプロ
サンヨウは省エネのプロフェッショナル。太陽光発電で21年の実績を持ち、20社以上のメーカーを取り扱い、最適なソリューションをご提供します。太陽光発電だけでなく、省エネや快適な住環境づくりをトータルサポート。電気代削減や環境に優しい暮らしの実現をお手伝いします。お客様のニーズに応じた最適なプランで、安心と信頼のサービスをご提供します。住宅の省エネをお考えなら、サンヨウにお任せください。まずはお気軽にご相談を!
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